東芝リストラで終焉へ、人員削減の推移と事業の撤退売却が続く

リストラ

東芝はリストラで復活できたの?今どうなってるの?
東芝のリストラは多すぎて良く分からないんだけど

これらの疑問・要望にお答えします。
 

東芝といえば、エネルギー、インフラ、電子デバイス、デジタルソリューションを手掛ける東芝グループの巨大企業です。

以前は、テレビ、家電、携帯、パソコン等で日本を代表する有名企業でしたが、現在は消費者向け製品からは既に撤退しており、不採算事業の大規模リストラと、主力事業の開発を数年間に渡って推し進めています。
 

しかし、いまだにリストラでの人員削減の話が止まりません
 

コロナ禍の2020年も、傘下の子会社で人員削減が次々と発表されています。2020年5月に東芝テック700名、2020年9月に東芝デバイス&ストレージ770名の人員削減が発表されています。

その他、パソコン名のダイナブックがダイナブック株式会社になったり、システムLSI事業から撤退するなど、私たちが東芝をイメージしている代表的な事業ですら整理し、関連子会社を売却しています。
 

東芝はどうなってしまうのでしょうか?以前のように経営が復活できるのでしょうか?とても不安な状況です。

そこでこのページでは、東芝での今までの大規模リストラ経緯と概況、今後の東芝が向かっていく方向についてご説明します。
 

このページで分かること

 
・東芝のリストラ概要、従業員減少の推移(2011年~2020年)
・現在の東芝と、今後どう変わっていくのか(2021年)

 

東芝のリストラ概要と、従業員減少の推移(2011年~2020年)

コロナ禍の2020年でも大規模なリストラが継続している東芝ですが、今までの人員削減を推移を見るために、過去10年の従業員数の推移をまとめました。
 

2011年から2020年、10年間の有価証券報告書での従業員と当期純利益の推移は次の通りです。
 

東芝 有価証券報告書より抜粋 (aki88ra.com)

 
東芝では、10年前に約20万2千人いた従業員が、2020年度末には12万5千人まで減っています
増減の合計は約7万7千人減です。つまり、10年間で3分の1以上、38%の従業員がリストラで退職へ追いやられ、人員削減されたことになります。
 

国内で7万人もリストラされていたなんて!
東芝のリストラ解雇、退職勧誘はブラック(違法)なうわさも多いので気になります…

 
一方で、当期純利益の推移をまとめたところ、直近の2020年9月では34億円の黒字でした。10年間で合算したとき、利益合計5,800億円となっており、リストラでの人員削減効果は出ているようです。

しかし、昨年2020年3月でも赤字へ転落し、依然として厳しい状況に他なりません。
 

なお、東芝は2017年東証2部へ降格しています。
2015年に不正会計問題が発覚し、また米原発事業に関する混乱によって「特設注意市場銘柄」となっていましたが、2017年3月末で債務超過へ陥り、東証の上場規定に抵触したためです。
 

現在の東芝グループ各社の業務概要について(2021年1月現在)

現在の東芝本体、および東芝グループ各社がどのような役割で存在しているのか、東芝と主要子会社について列挙し、対応する事業をまとめました。
 

(株)東芝

エネルギー事業、社会インフラ事業、電子デバイス事業、デジタルソリューション事業
 

東芝グループ関連 主要子会社

エネルギーシステムソリューション
・東芝エネルギーシステムズ(株) 100% 旧東芝燃料電池システム(株)
・東芝プラントシステム(株) 100% 旧ES東芝エンジニアリング(株)

インフラシステムソリューション
・東芝インフラシステムズ(株) 100% 旧東芝電機サービス(株)

ビルソリューション
・東芝エレベータ(株) 80%
・東芝ライテック(株) (主要株主)
・東芝キヤリア(株) 60%

リテール&プリンティングソリューション
・東芝テック(株) 52%

デバイス&ストレージソリューション
・東芝デバイス&ストレージ(株) 100%

デジタルソリューション
・東芝デジタルソリューションズ(株) 100%

グローバル関連
・東芝アメリカ社
・東芝欧州社
・東芝アジア・パシフィック社
・東芝中国社

 
東芝の主要事業である、エネルギー事業、社会インフラ事業、電子デバイス事業、デジタルソリューション事業については、それぞれ専門の子会社が存在しています。

つまり、東芝本体では主にグループ全体の司令塔として、事業戦略の策定・実行を行いつつ、実際の事業はグループ各社にて実施し、それを東芝本体がグループを包括的に管理していく体制・役割になっています。
 

東芝本体が、各事業の成長実績や今後の可能性を考えて、事業の拡大・撤退を決めているんですね。

 

東芝での2011年~2020年までのリストラ、人員削減、子会社売却に関するニュース履歴

東芝でのリストラ関連発表の経緯として、リストラによる人員削減、関連子会社の売却の各種計画の発表・ニュース&トピックスの履歴を簡単にまとめました。
 

ここでは、主に東芝ホームページのニュース&トピックや、各種報道機関からのニュースに基づいて列挙しているもので、計画と実績が混在しているのでご注意ください。実際の従業員数の推移は前述の一覧をご覧ください。
 

2020年
11月 石炭火力発電所建設から撤退、東芝ロジスティクスをSBCホールディングスへ売却
9月 システムLSI事業からの撤退、東芝デバイス&ストレージから770名の人員削減
8月 ダイナブック株式会社をシャープへ売却
5月 東芝テックから700名人員削減

 

2019年
10月 東芝デバイス&ストレージから早期退職優遇制度へ414人が応募
7月 旧東芝メモリホールディングスの社名がキオクシアホールディングスへ
6月 液化天然ガスの(LNG)事業をトタル(フランス)へ売却
5月 半導体部門から350名の人員削減
  今後5年間で7,000名の人員削減、早期退職優遇制度に823名が応募
(東芝339名、東芝エネルギーシステムズ427名、東芝デジタルソリューションズ57名)

 

2018年
11月 東芝エネルギーシステムズ、東芝デジタルソリューションズから1,060名の人員削減
  原子力発電所新規建設事業(英国)から撤退、ニュージェネレーション社を解散
8月 東芝セキュリティをセコムへ譲渡、社名をセコムトセックへ変更
6月 東芝メモリをPangea(ベインキャピタル(米国))へ売却
   社名を東芝メモリからキオクシアへ変更
4月 東芝病院を医療法人社団緑野会へ売却
2月 東芝映像ソリューション(REGZAなど)をハイセンスグループ(中国)へ売却

   

2017年
7月 東京証券取引所2部へ降格
3月 子会社ウェスチングハウスの破産申請

2016年
6月 東芝ライフスタイルをミデアグループ(中国)へ売却
3月 東芝メディカルシステムズをキヤノンへ売却
  リストラ・早期退職優遇制度へ適用人数が3,449名
  (ヘルスケア59名、電子デバイス2,058名、ライフスタイル1,086名、
   コーポレート246名)

2月 過去最悪7,100億円の赤字、役員報酬一部返上

2015年
12月 東芝製造インドネシア社をスカイワース(中国)へ売却
   コーポレート部門から1,000名の人員削減
   パソコン・映像・家庭電器事業6,800名の人員削減
   半導体事業から1,200名の人員削減

  

2015年
10月 CMOSイメージセンサ事業、白色LED事業から撤退
   1,100名がソニーグループへ移籍
9月 東京証券取引所により特設注意市場銘柄に指定(有価証券報告書に虚偽記載)

2014年
9月 PC事業から900名の人員削減
8月 映像事業社員の25%の人員削減策

2013年
10月 映像事業から3,000人の人員削減
7月  テレビ事業、パソコン事業から400名の配置転換

2012年
5月 埼玉県深谷事業所を閉鎖(テレビ国内生産が終了)
4月 携帯事業を富士通へ売却
3月 東芝ストレージデバイス・タイ社をウェスタン・デジタルへ売却

2011年
11月 福岡県北九州工場閉鎖、静岡県浜松東芝エレクトロニクス閉鎖、千葉県東芝コンポーネンツ閉鎖

 

2011年以降、怒涛のリストラを行っていますね。それでも業績が思わしくないとは厳しいです。

 

リストラの現状と今後の東芝はどうなっていくのか(2021年)

 

東芝のリストラ現状

東芝の車谷暢昭社長は、2018年に就任して以来、大規模なリストラを実施してきました。

液化天然ガス(LNG)、海外原子力建設から撤退し、また、物流、人材派遣、給与計算業務の子会社も売却してきました。
 

 
そして、2020年もシステムLSI(大規模集積回路)事業からの撤退を発表、2021年2月末までに770名の人員削減を実施しています。
 
対象子会社は東芝デバイス&ストレージで、システムデバイス事業統括部・スタッフ部門・営業部門から早期退職優遇制度等を実施して、全体で770名の削減を行っています。
 

今後について、車谷社長はリストラ、事業撤退について営業利益率5%を基準に検討していくとのことです。

現時点で営業利益率をモニタリングしている対象事業は、火力発電所建設、HDD(ハードディスク駆動装置)、産業モーター、東芝テック複合機事業の4事業です。

つまり、関連子会社としては次が対象となりそうです。
 

東芝エネルギーシステムズ(株)
東芝デバイス&ストレージ(株)
東芝テック
その他、東芝産業機器システム(株)など

 
これらの会社での利益が見込まれない場合は、事業撤退となるため、2021年もリストラでの大規模な人員削減の可能性があります。
 

特に東芝テックの複合機事業は2020年3月期で赤字に転落し、撤退の有力候補となっています。
海外向け商品になっていますが、市場も縮小傾向にあるため今後も厳しいと思われます。
 

今後の東芝はどう変わっていくのか?

将来の成長事業としては、再エネ事業(2020年3月1900億円)に注力していくとのことです。
太陽光や水力(売上300億円)、地熱(売上100億円)、風力などの発電関連機器や、高圧変電機器や二次電池などエネルギー調整関連機器に力を注いでいくことになります。

 
また、再エネで提供するエネルギーの効率使用、安定供給を目指すサービスとして、エネルギー調整分野、系統安定化やVPP(仮想発電所)関連ビジネスへの参入も検討しています。
 

東芝では、ここ数年リストラとしての事業撤退や人員削減・退職勧誘や継続し、どの方向へ向かっているか分かりにくい状況でしたが、今後はインフラを中心としたエネルギー分野の各種関連事業へ進むビジョンが確定してきたようです。

しかし、これらが将来の主力事業、会社グループを支えられる規模になるのはまだ先になります。残念ながら、もうしばらくリストラや人員削減が続いていきそうです。
 

東芝の退職勧誘について(違法?)

東芝のリストラを色々と調べている際に、東芝を退職した元社員のコメントがネット上に散見されています。

特に「東芝の職場を明るくする会」というサイトで、東芝グループ各社からリストラされた社員の経験談や、現在リストラされそうな方へのアドバイス等が掲載されていました。
 

沢山の経験談・コメントの中から少しだけ抜粋させて頂きます。
恐らく、ある範囲では真実と思いますが各自でご判断ください。
 

最後は「業務センター」に配転すると脅されて、泣く泣く辞めました。

2020年12月16日
-2019年3月31日に東芝エネルギーシステムズ社(ESS)を早期退職したAさん-

11月の末、東芝エネルギーシステムズ社(ESS社)を2019年3月31日に早期退職したAさんのお話を聞くことができました。

Aさん(年齢50代)はESS社で、技術者として働いてきました。2018年11月8日に会社は突然、800人の人員削減をすると発表しました。そして年が明けた1月中旬から退職強要の面談が始まりました。Aさんは、自分と家族の生活を考えると、とても会社を辞めることはできません。それでAさんは面談で「東芝で働きたいので、辞めません。」と伝えました。しかし、面談のたびに会社から再三にわたり「辞めろ」と言われました。 

2019年3月の初め、Aさんと同じように「辞めない」と言っている人が100人ぐらいいることを知りました。そしたら、会社はAさんに「辞めないなら、あなたを業務センターに配転する。」と脅してきました。そして「今なら間に合う、加算金も付くので3月末で辞めてほしい」 と強引に圧力をかけてきました。Aさんは泣く泣く退職しました。

*「業務センター」とは、世間でいう「追い出し部屋」のことです。
 
Aさんは、この時のことを振り返って、「会社のやったことは違法だ」と言います。従業員が辞めるのを承諾したかのようにいっているが、とんでもないと言います。「追い出し部屋」で頑張っている人、柏崎工場など遠くに配転させられた人、負けないで頑張ってくださいと言いました。Aさんはいまだに再就職できていません。
 

引用: http://www.kki.ne.jp/akaruku-tsb/

 

黙って会社の言いなりになって退職しろ!それはないでしょう

2020年11月09日 -東芝デバイス&ストレージ社 770人のリストラ止めろ-

 東芝は、会社の立て直しと、利益優先で、十年以上に渡ってリストラ、首切りを続けてきました。 

 会社は、早期退職という名目で従業員を解雇するため、退職勧奨の面談を行いますが、その席で「あなたにしてもらう仕事はもう無い。」「東芝には、あなたの席はない」などと退職の強要せまります。

 また、退職を強要されて困っていることを「東芝の職場を明るくする会や、電機・情報ユニオン(個人加盟の自主的労働組合)に相談するな。」と、自分たちの違法行為を隠すため、狡猾な脅しまでおこないました。

 職場のなかで信頼できる同僚と話し合ったり、「東芝の職場を明るくする会」に相談したりして、会社の脅しに負けず、 退職強要をはねのけた従業員も多くいます。
 

引用: http://www.kki.ne.jp/akaruku-tsb/

 
もし、東芝グループ社員でこのような状況の方は熟読しておくと良いかもしれません。

また、当サイトでも、次の記事で退職勧誘を受けた際の対応方法をまとめています。少しでも参考になれば嬉しいです。

 

東芝はリストラで復活について、過去の人員削減と今後のまとめ

今回は、東芝のリストラ状況について、特に過去のリストラ経緯、人員削減の推移、そして、今後の東芝がどうなっていくかについてまとめました
 

東芝といえばテレビや家電などで有名ですし、フジテレビのサザエさんでも幼少期からみんなお世話になっている大企業です。大規模リストラで辛い思いをしている元社員も多いようですし、その分も含めて今後の新事業成長、事業拡大に期待したいですね。

当サイトでも今後の東芝および東芝グループ各社に注目していきたいと思います。

  
コロナ禍における東芝以外のリストラ企業一覧は次にまとめています。

error:Content is protected !!
タイトルとURLをコピーしました