もし上司から「辞めてくれないか?」と言われたらどうすれば良いのでしょうか?
拒否しても良いのでしょうか?素直に従った方が良いのでしょうか?
これらの疑問にお答えします。
コロナ禍でリストラが加速しています。有名大手企業でもコロナの影響で大ダメージを受けています。経営が悪化し、希望退職者を募集している会社が続々と出てきています。
2020年コロナ禍でリストラしている企業一覧は次の記事にまとめました。
コロナ禍では社会が一変しています。大手企業に勤めていてもリストラは他人事ではなくなりました。
明日はわが身です。明日あなたが上司から呼ばれてしまうかもしれません。
でも、急に会社からリストラを告げられたらどうすれば良いのでしょうか?
自分の人生、家族の生活がかかっています。適当には対応できませんよね。
そこで、このページでは、リストラを言い渡させたときに、焦らずに適切に対応できるように対応方法をまとめました。
会社から「辞めてくれないか」と言われらどうすればいい?
会社から「辞めてくれないか」というリストラ宣告を受けてしまったとき、
つまり、「あなたはいらない、不要だ」と言われてしまっています。とてもつらい状況です。
目の前が真っ暗になって、これからどうすれば良いのか分からなくなってしまいます。
もしあなたが、40歳、50歳なら、おそらく奥さんや子供もいることでしょう。
家族を養わなければならないのに、将来が一気に真っ暗になってしまいます。
このようなリストラを告げられたとき、私たちには大きく3つの選択肢があります。
1)リストラを拒否し、会社に残れるように上司と戦う
2)リストラを受け入れ、できるだけ条件のよい方法で退職する
3)明白な答えを出さずにあいまいな対応で逃げ続ける
3)の方法をとったとき、たいていの場合は上司から何度も呼び出され、説得を受けることになり、最終的には2)のリストラを受け入れることになりがちです。
ですので、3)は時間稼ぎになりますが、最終的に1)か2)のどちらかを選ばなければなりません。
そこで、1)と2)の2つの方法について詳しく見ていきましょう。
1) リストラを拒否し、会社に残れるように上司と戦う
そもそも会社は社員を自由にリストラすることができません。
実は、雇われている私たち社員は法律でかなりの範囲で守られているんです。
会社に残りたいなら、「辞めてくれないか?」という上司へ「NO」と返すことは十分可能です。
「辞めたくない」「NO」と言っている社員を無理矢理クビとして辞めさせるはできないのです。
具体的には、次の4つの条件をしっかりと満たさないと、リストラ(解雇)はできませんので安心しましょう。
①リストラで人員削減の必要性がある
②会社がリストラ回避の努力を行った
③リストラ対象者の選び方が合理的である
④リストラの手続きが社会的に相当である
単に景気が悪い、コロナで売り上げが上がらない、という理由だけで、リストラの解雇はできませんし、あなたが解雇対象者に選ばれるのも合理的で明白な理由が必要です。
単に仕事ができないという理由は通りません。
例えば、丁寧に何度も指導したのに「何度も同じ失敗をする」等、明らかな落ち度がなければ解雇はできません。
ですので、あなたが会社に残って仕事を継続したいなら、
堂々と「辞めたくない」と意思表示しましょう。
しっかりと拒否することで、リストラ対象から外れるかもしれません。
そして、他の人がリストラされることで、あなたは当面の間は仕事が継続できるかもしれません。
しかし、拒否する場合は注意が必要です。
会社は経営が悪化していますので、
今までと同じように働いたり、同じような給料がでるとは限りません。
会社に残れて、リストラ対象から外れたとしても、
仕事内容がすごく厳しくなったり、給料やボーナスが下がる可能性も極めて高いです。
ですので、リストラを一旦回避したとしても安心せず、
近い将来には、またリストラ対象になったり会社が倒産しそうなときでも、転職できるような個人スキルを身に着けるなど、事前に準備をしておくことをお勧めします。
また、上司からリストラを言われたということは、その上司はあなたが不要と思っていたわけです。
あなたにとってその会社が魅力的な会社なら、会社内でしっかりと生き残れるように頑張りましょう。
その上司に改めて認められるよう頑張るのも一つですが、別の有力な方法として、隣の部署の上司や同期の部署の上司などと新たなコネクションを作るのも一つです。
新たな部署へ異動できれば、今の上司よりも仕事がしやすい環境で働けるかもしれません。
あなたの価値も再認識してもらえるかもしれません。
視野が広がれば、もっと別の可能性が見えてくるかもしれません。
新しいことにアクティブにチャレンジしようとする社員をリストラする会社はありません。
会社内の自分の居場所、立ち位置をしっかりと確立できれば、今後も長く楽しく働けることになります。
2)リストラを受け入れ、できるだけ退職条件のよい方法で退職する
会社としてはリストラとして社員に辞めて欲しいので、何らかの交換条件を提示してくることもあります。退職金が上乗せされるとか、転職先をあっせんしてくれる等の条件です。
リストラの条件が良ければ、リストラを受け入れるのも賢い選択肢かもしれません。
当然ですが、一度リストラを拒否するとこの交換条件がなくなりますので注意しましょう。
会社に残れても、給料が減額となったり、仕事がきつくなるかもしれません。
それでも会社に残りたいのか、しっかりと自分自身で考えてみることが大切です。
考えた結果、リストラを受け入れる場合は、上司に退職の条件をしっかりと確認しておきます。
会社都合によるリストラなら退職金の上乗せや、再就職のための一時金等の優遇を要求できることも十分あり得ます。
そして、自己都合ではなく、会社都合での退職であることを上司としっかりと認識を合わせ、
「解雇通知」をもらっておきましょう。
自分では会社都合の解雇と思っていても、書類上で自己都合による退職で処理される可能性もあります。
会社都合という理由が書かれた解雇通知を入手しておけば、あとで問題を避けることができますし、失業手当でも自己都合の退職より有利になります。
リストラを受け入れて良いときと拒否すべきときとは
40歳以上なら
あなたが40歳以上なら、基本的にリストラを拒否すべきでしょう。
再就職の限度は35歳までが一般的です。
何か特別な技術が無い限り、40歳以上、特に50歳の再就職は絶望的と思ってよいです。
個人で何か始めるなら別ですが、どこかの企業で働きたい40代、50代の会社員にとって、
今の会社のリストラを拒否できるならまずは拒否しておくべきです。
そして、リストラ拒否がうまくいったら、良かったで終わらせてはいけません。
終身雇用制度は崩壊しています。会社としては、終身雇用が前提の高給取りな40歳以上の社員をリストラしたがっています。
逆に40歳以上をリストラできなければ、優秀な新卒を獲得できませんし、会社を活性化させて若い世代の給料を上げるためにも、リストラを行う必要があります。
今後の再リストラ対象になる前に、会社以外の個人で何か始められるように、事前にスキルアップしておくことが極めて大切です。
リストラの交換条件が良いなら
交換条件が良ければ、リストラを受け入れましょう。
退職金が上乗せされることは通常はあり得ないので、その上乗せ分を使って今後の仕事に備えられます。
そして、その会社の将来がないと判断できる場合もリストラを受け入れるべきでしょう。
仮にリストラを拒否できたとしても、会社が倒産してしまったら強制的なリストラとなります。
退職金が全くなくなるなど最悪な状況となりますので十分な注意が必要です。
なお、リストラを受け入れて退職するときは、早めに転職エージェントに登録しておきましょう。複数社に登録しておけば、自分にあった担当者が見つかって、適切なアドバイスを受けやすいです。電話やオンラインでの相談も可能です。
退職後のハローワークでは良い職が見つからないことが多いので、退職前に転職先を探し始めることをお勧めします。
ブラック企業からの違法なリストラを告げられたなら
ブラック企業のリストラなら受け入れますが、弁護士に相談しましょう。
ブラック企業からの違法なリストラを言い渡された場合に、これを拒否することはできますが、拒否して会社に残ったとしても、会社内の立場が悪化する可能性が高いです。そのまま仕事を続けることは極めて厳しいと思われます。
やはり、リストラを受け入れることにはなりますが、企業側の勝手なブラックな条件に従う必要はありません。
これはおかしい(違法)と思うところをしっかりと記録し、ブラックな証拠を押さえた上で、弁護士に相談すると良いでしょう。弁護士の無料相談窓口もあります。
リストラの違法性が高く、精神的損害を被ったのなら、民法709条に基づいて慰謝料を請求することができます。
リストラに関わる退職関連 補足
一般的に「リストラ」といっても、希望退職や退職勧奨のような色々なケースが存在します。
これらについて説明します。
希望退職・早期退職
最近の大手企業はリストラの一つとして希望退職を募集するケースが多いです。
これは、会社が退職したい人を募集する方法です。メリットとして主に退職金が割り増しされます。
退職を希望する社員がこの希望退職制度を利用することを会社へ連絡しますが、
自己都合での退職ではなく、会社都合の退職になります。
退職勧奨
上司からあなた個人へ、会社を辞めないか、と勧められるケースです。
これを認めると自己都合退職となります。退職金は特に割り増しはなく通常となります。
会社都合での退職ではなく、自己都合での退職となるので、失業手当の待遇が不利になります。
辞めないか、と直接的に誘われる前に、
ここの仕事は合わないのでは?
他の会社でやりたいことは無いのか?
会社が傾いているのに何も気にならないのか?
というように遠回りに辞めることを促されることも多いです。
また、業務上の異動を命じられ、そこが明らかに通勤できない場所だったり、仕事が全く無い窓際族となる部署の場合は、暗に退職勧奨をされているのかもしれません。
退職勧奨については、繰り返し強く勧誘される場合はパワハラに相当したり、強要罪に相当することもあります。
もし、この傾向がある場合は、スマホ等で隠し撮り(音声録音)したり、言われた内容をメモしておくなど証拠を確保しておくのをお勧めします。
会社を辞めるとしても、証拠があれば弁護士に相談もできますし、退職条件で不利にならずにすみます。
リストラ拒否のまとめ、コロナ禍の退職危機を乗り切るために
今回は、会社から告げられたリストラに対して拒否してよいのか、どのように対応すればよいのかについてまとめました。
コロナ禍の今は、いつどこでリストラが起こるか全く読めません。
大企業だとしても、あなたがどんなに優秀だとしても、リストラされてしまうことはあり得ます。
今回の対応方法を記事を基本にして、あなたの会社に合う最適な方法で対応し、リストラ後の人生を含めて考えていただけたらと思います。
今後、私たちがリストラ対象とないために、リストラ対象者になりやすい人となりにくい人との違いをまとめました。