ジョブ型の導入を発表したKDDI、正社員の約1万3000人に対して段階的にジョブ型雇用が導入されていきます。
この「KDDI版」ジョブ型には他社に無い取り組みもあるので興味がある方も多いと思います。
そこで、KDDIから発信されている内容をかみ砕いて解説し、またこのジョブ型がコロナショック後の日本企業へ展開されていくのかについて考えたいと思います。
ジョブ型に関するKDDIニュースリリース
時間や場所にとらわれず成果を出す働き方の実現へ、KDDI版ジョブ型人事制度を導入
KDDIは、働いた時間ではなく成果や挑戦および能力を評価・称賛し、処遇へ反映することを目的とした、新人事制度を2020年8月から導入します。
https://news.kddi.com/kddi/corporate/newsrelease/2020/07/31/4580.html
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さらに、2021年4月に入社する新卒社員から一律の初任給制度を撤廃し、能力に応じた給与体系も導入します。
2020年8月からの導入は8月入社中途社員で、その後、2021年度入社の新卒社員となるようです。また、2021年度から管理職にも導入され、この制度見直しは労働組合との協議にて導入されます。
また、KDDI版ジョブ型として、2021年度採用の新卒に対して一律の初任給制度を撤廃し、ジョブ型に従った賃金となります。
まずは中途採用から導入して、次に来年度の新卒へ適用となるんですね。新卒一括採用が具体的にどうなるか注目が集まりそうですね。
KDDIではこの3つの視点が関係しあって新たな時代へ向かうようです。
新型コロナウイルス感染症の拡大をきっかけとしたニューノーマル時代での働き方宣言、これは、働く時間と場所を選べる環境整備や新しい働き方を支援し成果や挑戦を評価する制度を導入します。
働き方宣言を支援する社内DXでは、テレワークや、ハイブリッドな働き方を実現するIT・オフィスの改革を行います。
そして、新人事制度にてこのジョブ型人材マネジメントを採用します。職務を明確化し、成果で評価するKDDIジョブ型を実現します。
基本的な考え方として、働いた時間ではなく、成果や挑戦および能力を評価して、処遇へ反映します。
・業務に対する市場価値を重視して、その成果に対する報酬の反映
・ジョブデスクリプションを定義し、成果・挑戦・能力を評価
・キャリア形成を推進し、各人の要望やプロセスを重視
・広範囲な事業領域を活用し、各人の成長機会を提供
・企業成長と人材の成長の両方を重視
これらの5つの考え方に基づいて新人事制度が導入されます。
それぞれの働きをデザインしよう、というコンセプトでKDDI版の働き方宣言が実施されます。
この中で、ジョブ型コンセプトに相当するルール制度変更にて、成果・チャレンジを評価する制度を行いますし、ジョブ型から誘発される人材の流動化についても、自らチャレンジし、組織の垣根を超えたコラボレーションが容易に実現できる環境が提供されます。もちろん、ジョブ型での専門スキルを向上させるためのマインドセットとして、自ら学び、共有して、そして組織の成果へもつなげる考え方が推奨されています。
働き方改革に関するこれまでの主な取り組み
https://news.kddi.com/kddi/corporate/newsrelease/2020/07/31/4580.html
2005年 在宅勤務制度
2015年 勤務間インターバル制度を就業規則で規定
2017年 36協定特別条項変更(年間の時間外労働の上限を720時間から540時間へ変更)
2017年 「20時までの退社」をルール化や、朝型勤務の推奨による働き方改革の推進
2018年 シェアオフィスの導入、拡充
2019年 「働き方改革・健康経営推進室」を新設
KDDIでは2005年から働き方改革を中心とした色々な取り組みを行っているんですね。
KDDI 2021年3月期1Q決算資料
次世代の育成
https://www.kddi.com/extlib/files/corporate/ir/library/presentation/2021/pdf/kddi_200731_main_Yhr9KA.pdf
休校措置で学習困難となった児童・学生への英語学習を支援
•オンライン・オフラインを活用したイーオン英会話レッスンを高校生1万人に4カ月間無償提供
•休校措置や新学習指導要領で英語学習が変化する小学生をサポート
前述の3つの視点「新働き方宣言」「新人事制度」「社内DX」が決算資料でも登場しています。
また、コロナ自粛で影響を被った次世代の人材となる高校生や小学生に対して、4か月も英語無償でレッスンを受けさせてくれるようです。これはスゴイですね。
新卒学生向けではないですが、今後の人材に期待しているところが素晴らしいですね
KDDI 2021年3月期第1四半期決算説明会 (決算ハイライト・質疑応答)
「新人事制度」ではKDDI版ジョブ型を導入し、職務領域の明確化と、成果・挑戦・能力に基づく評価・報酬を行うジョブ型の長所を活かしながら、KDDIグループの事業領域における多様な成長機会を提供するなど、自律的なキャリア形成の支援を行います。
決済説明会でもしっかりとKDDI版ジョブ型について説明されています。ジョブ型の長所と多様な成長機会を提供を目的として、キャリア形成支援を行っています。
2021年度よりKDDI新卒採用で通年採用を開始
2020年度入社向け新卒採用より実施していたジョブ型採用枠を約4割に拡大します。
・・・専門スキルや能力を持つ学生が入社前からより明確な業務イメージを持つことができ、専門性を活かせる部門に初期配属を確約するジョブ型採用枠を拡大し推進していきます。
来年も新卒一括採用があるようですが、ジョブ型が4割に拡大されます。そして、専門スキルを持つ学生は、ジョブ型雇用でその専門の部署へ配属が確約されるということです。
専門分野を自己主張して就職したのに、一般営業やその他の人が足りない部署へ回される、という怖さがなくなりますね!
KDDI版ジョブ型に対する世間の関心
ここではKDDI版ジョブ型導入が発表された後のTwitterでの反応をまとめました。
ジョブ型導入に対する賛成のつぶやき
確かに、ジョブ型雇用の方はモチベーションがあがりそうですし、脱年功序列には効果がありそうですよね。スピード感があるKDDIに期待できますね。
ジョブ型導入に対して否定的なつぶやき
確かい、新卒だとジョブ型の準備が難しそうです。
また、ジョブデスクリプションについては増えていきそうですね。確かにその通りです。管理や運用が大変になりそうですが、それをどう解決するのか、KDDIに期待したいと思います。
その他、社内副業制度についての意見
社内副業制度ってあるんですね!これは先進的ですね。
社外で個人で副業へチャレンジしなくても、社内でできるならある意味安全ですし、ラクですね。
KDDIのジョブ型導入 まとめ
今回はKDDI版上部型について、導入経緯や具体的な内容、そして世間の反応を含めて整理しまとめました。
KDDIでは前述の高校生、小学生を支援していたり、また、社内副業制度も開始していたり、他社にない面白い取り組みを行っています。今回のKDDI版ジョブ型も、分かりやすく納得がいく制度になりそうです。
今後もKDDIのジョブ型に期待していきたいと思います。
その他の企業によるジョブ型導入の動向については、こちらの記事にまとめています。よかったら確認してみてくださいね。