日立金属の運命は?2021年リストラで人員削減と会社売却が強行へ

リストラ

日立金属はリストラで人員削減されるの?安来工場はどうなるの?
日立金属は日立製作所から米国ファンドへ売却されちゃうの?

これらの疑問にお答えします。
 

日立製作所の子会社である日立金属は、2020年10月に3200人の大幅な人員削減を行うことを発表しました。

この発表のインパクトは大きく、安来工場がある島根県と安来市が、日立製作所を含む日立グループへ影響を最小限に抑えるよう要請しています。
 

しかし、2020年11月末に日立製作所は日立金属の売却に向けた1次入札を実施し、複数の米大手投資ファンドが応札しました。2021年3月までに日立金属の買い手が確定される見込みです。
 

日立金属といえば日立グループの創業社です。日立化成、日立電線と並び日立製作所グループ御三家と言われた主要な子会社で、従業員3万人以上をかかえる大企業です。
 

それにも関わらず、将来どうなるのか分からない混沌とした経営状況となっています。
 

このように先行きが見えない日立金属について、リストラ状況、人員削減や売却の理由など、気になっている方も多いことでしょう。このページでは日立金属における2020年、2021年のリストラ状況、特に人員削減と売却についてまとめました
 

このページで分かること

 
・日立金属リストラ/人員削減の状況とその理由について(2020年~2021年)
・日立金属リストラ/売却状況とその理由について(2020年~2021年)
 

日立金属リストラ/人員削減の状況とその理由について(2020年~2021年)

2020年10月、日立金属は2022年3月末までに国内の従業員を中心に約3200人の人員削減を行うことを発表しました。
 
2019年の従業員3万5400人に対し約10%近くが削減対象となり退職となります。
 

削減対象の内訳は、早期退職募集1030人、定年退職780人、非正規雇用の解雇等960人、これらの合計として国内2770人、さらに海外従業員460人を合わせて、合計3230人です。
 

(リストラの主な理由)
2020年上期4月~9月の決算で過去最大となる332億円の大幅な赤字となったため

 
2020年コロナ禍で自動車や航空機の部品関連の売り上げが大きく落ち込み、今後の見通しも厳しい状況となり、3200人という大規模な人員削減と役員報酬や管理職給与のカットを実施し、経営立て直しを図ることを発表しました。
 

これを受けて、2020年12月8日、島根県庁に丸山知事と安来市の田中市長が、日立金属の執行役員と日立製作所の代表執行役専務とテレビ会議を行い、日立金属の主要な工場である安来工場について、人員削減のリストラ計画を最小限に抑えるように要請しました。
 

この会議の結論は出ておりません。日立側から、

  • 安来工場の今後に関して現段階で決まっていない
  • 今回の要請について真摯に受け止める

という説明を受けたまでに留まっています。
 

県と市が要請しても、やはり多くの退職者が出てしまいそうです。とても気になるところですね。

 

日立金属リストラ/売却状況とその理由について(2020年~2021年)

2020年11月末に、日立製作所は日立金属の売却に向けた1次入札を実施し、近々2次入札も実施されます
 
日立では入札された各社の計画を比較して、2021年3月末までに買い手を確定します。買収総額は数千億円規模になる見込みです。
 

売却の理由は、日立製作所の東原社長によれば、(日立金属が)別の会社と組んだ方がいいならばサポートする、という理由をあげています。

しかし、客観的に理由を捉えると、2008年リーマン・ショックからの日立グループの経営危機を脱却するため、事業の選択と集中を強力に推進し、総合電機メーカーを辞めてIT企業へシフトするための子会社売却と思われます。
  

現在、日立金属の入札については、次のような複数の米大手投資ファンドが応札を検討しています。
 

  • アポロ・グローバル・マネジメント
  • カーライル・グループ
  • コールバーグ・クラビス・ロバーツ(KKR)
  • ベイン・キャビタル

 
このような米大手投資ファンドが応札するのは、企業買収後に強制的に再生して企業価値を上げ、改めて売却(転売)するためです。つまり、大手投資ファンドに売却された場合は、今後さらなる大規模リストラが行われることになるのでしょう。
 

 
その一方で、日立金属が持つ日本独自の先端技術、応用技術が海外へ流出してしまう懸念もありま
す。

そのため、日本政府系ファンドである産業革新投資機構(JIC)が日立金属への出資に向けて調整を開始しており、入札に参加する予定です。日立金属の先端材料部門の競争力強化へ向けて、業界再編を含めた計画を進めようといています。
 

JICでは、次世代エネルギー、通信基盤の各種材料、電線に関する部門を買い取ることを検討していますが、実際は米ファンドとの協調投資が必須と思われ、各種調整を行っているようです。

この売却によって、時価総額6500億円の日立金属は、過半数の約53%を出資していた日立製作所から離れて、2021年4月からは新たな展開を見せることになるでしょう。
 

どちらにせよ、2020年度上期で大きな赤字を計上している日立金属として、事業を再生するために大幅なリストラ策が必要と思われますので、人員削減や事業の取捨選択の改革が起こると思われ、2021年リストラがさらに加速するものと思われます。
 

日立金属が2020年リストラで3200人の人員削減を強行する理由 まとめ

今回は、2020年~2021年に実施される日立金属でのリストラ状況について、人員削減と売却の理由についてまとめました
 

日立金属が日立グループから売却されれば、日立グループの一連の子会社整理が一旦完了します。
 

先に売却された日立化成同様に、今後の日立金属は日立グループとは別の道を歩むことになります。恐らくリストラがさらに加速され、人員削減、事業の再分化、そして他社への売却等が大きく進む可能性もあり、残念ながら将来が全く見通せません。
 

日立金属、そして日立製作所の動向についても、今後も注視していきたいと思います。
 

日立製作所でのジョブ型採用について、次の記事でまとめています。

 

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