三菱自動車のリストラ・希望退職はどんな条件なの?上乗せ退職金は?
赤字が酷すぎる三菱自動車は2021年ついに潰れるのか?
これらの疑問にお答えします。
三菱自動車は、コロナ禍で2020年9月期2098億円の赤字という中間連結決算を発表し、2021年3月期の連結業績予想を純損益3600億円としています。
このため、固定費削減に向けた施策として2020年11月に希望退職を募集しました。
この希望退職はどのような感じなのでしょうか?また、三菱自動車の今後もとても気になります。
このページでは三菱自動車のリストラでの希望退職の状況と2021年以降の今後の展望についてまとめました。
三菱自動車での2020年11月希望退職募集について
三菱自動車の希望退職の詳細条件とその結果
三菱自動車は、2020年11月に希望退職を募集していました。その条件は次の通りです。
(1) 募集人員 550 名
(2) 45歳以上の管理職社員及び一般社員(純間接員に限る、医務系列社員は除く)
および、シニア社員(元管理職社員)及びシニア・パートナー社員(元一般社員)
(3) 募集期間 2020年11月16日~11月30日
(4) 退職日 2021年1月31日
(5) 支援内容 割増退職金の支給及び再就職支援サービスの付与
※三菱自動車の従業員数は約1万4千人(2020年3月)、グループ連結で約3万2千人です。
管理職社員、一般社員、シニア社員が対象ということは、
本社や岡崎製作所(愛知県岡崎市)、水島製作所(岡山県倉敷市)で働くほぼ全従業員が対象ということですね。
この希望退職募集に対して、2020年12月7日付ニュースリリースでは、
退職希望者が募集人員より100名以上多い、654名となったことを発表しました。
今回の希望退職制度実施に伴い発生する割増退職金等は約72億円となります。
これらが全て割り増し退職金になるわけではなりませんが、単純に人数で均等割すると、
約1100万円
となります。恐らく、一人当たり 1千万円近くの上乗せ退職金になったものと思われます。
三菱自動車の2020年ボーナスカット状況
三菱自動車では、2020年冬のボーナスを2割以上減額しました。この理由としてコロナの影響をあげています。
「新型コロナウイルスの感染拡大で経営環境が悪化しているため」
管理職は既に基本給の10%が減額されていますので、ボーナスカットはこの管理職を除き、国内の一般社員を対象として約1万3000人の従業員に対して実施されました。
減額された金額は 0.6か月分 です。
当初、三菱自動車ではボーナスを2.65か月分で労働組合と妥結し、その後、会社より0.6か月分を減額する2.05か月分とする案を提示し、組合側と合意しています。
この結果として、組合員平均では約84万円から約65万円へ、19万円程の減額となりました。
希望退職の募集やボーナスカットで、三菱自動車の社内はかなり厳しい状況になっているかもしれません。
三菱自動車の2020年までの売上状況と2021年以降の展望について
三菱自動車の売上・利益状況について
三菱自動車は、2020年11月4日のニュースリリースで2020年度上半期決算(2020年4月~9月)を発表しました。
売上:5,748億円
営業利益:△826億円
経常利益:△870億円
四半期純利益:△2,098億円
また、2021年3月期の連結業績予想を純損益3600億円と見込んでいます。
三菱自動車はいつからこんなに業績が悪くなったのでしょうか?
三菱自動車の過去の売上、経常利益、従業員数の推移を次の表にまとめました。
2017年3月にも1985億円の赤字となっています。でも今回2021年3月期はそれを超える赤字です。
また、従業員数も2016年を除き増加を続けていました。
三菱自動車では、現在、大幅な構造改革を行っています。
今回のようにリストラでの人員削減で固定費を削減し、2022年度末までに固定費2割以上の削減を目指しています。
また、事業の選択と集中を精力的に行っています。
2009年に発売開始した電気自動車(EV)「アイ・ミーブ」の生産を2021年3月までに終了し、また、37年の伝統を持つ「パジェロ」の生産工場を閉鎖(岐阜県坂祝(さかほぎ)町)します。
一方で、クロスオーバーSUV「エクリプスクロス」のデザインを刷新し、PHV(プラグインハイブリット自動車)モデルも新たに投入します。
また、三菱自動車の海外生産は大半がアジア地域向けですので、強い事業基盤を持つ東南アジア市場に集中していきます。
三菱自動車では、今期中期経営計画として、2020年をコスト改革の年と位置付けています。
経営基盤を安定させるため、構造改革であるコスト改革と収益力改革を行い、全方位拡大戦略から集中と選択をさらに加速させ、2022年末までにU字収益回復を狙います。
三菱自動車は2021年に潰れないのか?
三菱自動車は、2021年3月期の連結業績予想を3600億円の赤字と見込んでいます。
このような大赤字を出してしまったら、潰れてしまう会社も多いです。
ても、三菱自動車には潰れるといううわさがあまり立ちません。なぜなのでしょうか?
その理由は、やはりバックに超ビッグな三菱グループが控えているからでしょう。
三菱自動車の筆頭株主は日産ですが、やはり三菱グループの一員としての位置づけが大きいのです。
三菱グループといえば2019年に売上70兆円という世界最大の売上を誇るグループ(旧三菱財閥)です。
三菱自動車の益子会長は三菱商事の出身ですし、以前のリコール隠しの際も三菱グループが三菱自動車を再建させています。三菱マークを掲げている自動車会社ですので、グループのメンツにかけても潰れてはいけない会社なのです。
また、三菱自動車は自動車を製造するための材料は三菱関連企業から仕入をしています。三菱関連企業側から見ても潰れては困る大切な顧客企業の一つです。
そういう意味でも、経営の立て直しは必達です。
さらなる事業の選択と集中を行う上でも、2021年以降もリストラでの人員削減が続く可能性があります。
三菱自動車リストラ状況、希望退職と経営状況まとめ
今回は、三菱自動車のリストラ・希望退職について、そして、経営状況と今後の展開についてまとめました。
また、2020年のボーナスカット状況や三菱自動車が潰れるのかどうかについてもご説明しました。
三菱自動車は今、U字収益回復を目指して立て直しを行っています。今後の動向にも目が離せません。大きな動きがありましたら、このページにてまとめていきたいと思います。
コロナ禍での三菱自動車以外のリストラ・人員削減の一覧は、次の記事でまとめています。