【ジョブ型雇用】 日立がついに動いた!導入経緯と理由をまとめました

ジョブ型

日立流のジョブ型雇用ってなに?簡単に説明して!
お固い会社の日立製作所がなんでジョブ型雇用を始めたの?

この疑問にお答えします。

最近大手企業が次々に導入を発表しているジョブ型雇用ですが、
日立企業の中でもかたいイメージがある日立製作所がついにジョブ型企業の導入を決定しました。

そこで、日立がなぜジョブ型企業の導入を決めたのか、具体的に日立のジョブ型雇用とはどんな制度なのかについてまとめました。

見出しこのページで分かること

・日立がジョブ型雇用を導入した理由
・日立のジョブ型雇用とは具体的にどんな制度なのか

 
日立製作所での事業改革の一つとして日立金属リストラについてこちらの記事にまとめました。

 

日立がジョブ型雇用を導入した理由

グローバルでの人材獲得競争が激しくなる中で、日立製作所がジョブ型の移行を決定しました。ここでは、この決定に至った経緯と具体的な理由を説明します。

他の多くの日本企業も同様の理由があるので、近い将来ジョブ型が標準的になりそうです。早めに全体像をチェックしておきましょう。
 

日立のジョブ型雇用導入までの経緯と日立のジョブ型の概要

2020年3月13日 2019年春季交渉回答

(引用:抜粋)
会社が仕事およびその仕事に必要なスキルと経験を明確化し、従業員も保有するスキルや経験、今後のキャリアプランを自律的に考え、それらを上長・部下間で明示的にコミュニケーションしていく「仕事・役割基軸(ジョブ型)の人財マネジメント」への転換を推進します。

「仕事・役割基軸(ジョブ型)の人財マネジメント」を通じて、多様で主体的な人財がそれぞれの立場で能力を最大限発揮しイノベーションを創出することで、「2021中期経営計画」でめざすグローバルリーダーへの変革の実現につなげていきたいと考えています。このような点について会社から説明し、今後も継続して労使で議論することを確認しました。

https://www.hitachi.co.jp/New/cnews/month/2019/03/0313b.html

 

日立からの発表として、最初に公にされたのがこの春季交渉回答内の記述です。
3月時点でジョブ型への転換方針について、労使で議論を進めることが記されています。

2019年春季交渉回答でのジョブ型雇用の方針

・仕事内容とスキルを定義
・従業員のスキル、経験、キャリアプランに対し、上長と従業員の間で会話
・これらを通して、「仕事・役割基軸(ジョブ型)の人財マネジメント」への転換する

 

2020年3月30日 ニュースリリース

「ジョブ型人財マネジメントの実現に向けた2021年度採用計画について」を発表

「ジョブ型人財マネジメント」の実現に向けて2021年度採用計画を策定しています。

「職務」と「人財」の見える化を推進する「ジョブ型人財マネジメント」への転換を図っています。今回、こうした「ジョブ型人財マネジメント」の実現を支える施策を強化・拡大した採用計画を策定し、さまざまな取り組みを2020年度から実施する予定です。

https://www.hitachi.co.jp/New/cnews/month/2020/03/0330c.html

 

日立のこのニュースリリースの中では、「ジョブ型人財マネジメントに向けた具体的な採用の取り組み」として次の3つを掲げています

(1) 新卒(ファーストキャリア人財)採用の取り組み

デジタル分野の研究開発職およびデータサイエンティストのための「デジタル人財採用コース」新設し、海外直接採用を行います。

(2) 経験者(マルチキャリア人財)採用の取り組み

新卒:経験者の比率を2:1から1:1として、経験者採用を拡大します。(2021年度計画)
また、社員紹介制度を全事業部門に展開します。

(3) 通年採用、通年入社の取り組み

卒業後1年以内なら、4月以外の自由な時期に入社することを可能とし、海外留学、長期ボランティア、自己啓発後の入社がスムーズになります。

2020年5月26日  ニュースリリース

「在宅勤務を変革のドライバーとする働き方改革を推進」 -ジョブ型人財マネジメントへの転換を加速-

株式会社日立製作所(執行役社長兼CEO:東原 敏昭/以下、日立)は、新型コロナウイルス感染拡大を受けた政府による緊急事態宣言の全面解除後の新常態(ニューノーマル)を見据え、幅広い職務で在宅勤務活用を標準とした働き方を推進します。日立は、在宅勤務を変革のドライバーとして働き方の多様化をさらに推し進めると同時に、従業員一人ひとりが最大限能力を発揮し生産性を向上していくため、ジョブディスクリプションやパフォーマンス・マネジメントなどの仕組みにより、一人ひとりの仕事・役割と期待成果を明確にするジョブ型人財マネジメントへの転換をより加速していきます。

https://www.hitachi.co.jp/New/cnews/month/2020/05/0526.html

 

政府が推進するニューノーマルへの対応で、在宅勤務活用にフィットしやすい「ジョブ型」を使って生産性を向上させようという狙いですね!

 

(1) ジョブ型人財マネジメントへの転換加速

ジョブディスクリプション(JD)の導入(職務/組織の見える化)
(2020年6月にトライアル職場での作成、21年3月に全職種でのJD標準版作成)
タレントレビューの導入(人財の見える化)(2021年3月まで)
1on1の導入と定着(2021年3月目途)
自律的キャリア意識醸成のためのセルフアセスメント展開(2020年10月~)
これらの活動を支える労使コミュニケーション(春季交渉はじめ労使特別委員会で議論継続)

https://www.hitachi.co.jp/New/cnews/month/2020/05/0526.html

 

つまり日立では、2020年6月に試行して、2021年3月に全職種へジョブデスクリプションを作成するということです。

日立製作所には様々な事業部、様々な部門が存在しますが、ちょうど現在に、これらの部門で行われている各業務が全てJD化するように動いているようです。

 

日立の全業務のJDは相当量になることが予想されるので、本当に実現できるのか今後も注視していきたいですね。

 

日立がジョブ型雇用を導入する理由

2020年7月 東洋経済オンライン記事(インタビュー)

「在宅勤務導入で「ジョブ型雇用」転換を加速」

Q)新型コロナウイルスが収束した後も、2021年4月以降は「週に2~3日、(勤務日の)50%程度を在宅勤務にする」方針を発表しました。その狙いは何でしょうか。

A)事業のグローバル化を今後進めるうえで、多様な人材や働き方が必要になるからだ。

優秀な人材を広く採用するためには、日本に多い(年功序列型の人事制度である)「メンバーシップ型雇用」ではなく、職務(仕事の内容)を明確にし、そこに適切な人材を配置する、海外で主流の「ジョブ型雇用」が必須と考えている。

そのためには場所も時間も超えて仕事をする必要があり、それが在宅勤務にもつながる。今後、本格的な運用へ向けて労使で話し合いをしていく。

https://toyokeizai.net/articles/-/359800

 

日立から、コロナ自粛でテレワークが進む中、社員の働き方は在宅勤務を標準としていく方針が発表されました。週に2~3日、勤務日の50%程度を在宅勤務にするとのことです。

その主な理由は次の通りです。

  • 事業のグローバル化を進めるために、多様な人材や働き方が必要
  • 優秀な人材を広く採用するために、日本型のメンバーシップ型雇用ではなく、海外で主流のジョブ型雇用が必須
  • ジョブ型雇用を行うことで、在宅勤務が容易になる

現在グローバル企業になっている日立ならではですね。海外社員が14万人いますし、更に日立がグローバル化を進めるには、海外で主流のジョブ型採用が自然な流れかもしれませんね。

 

2020年7月 日立製作所Webサイト

「在宅勤務やジョブ型を推進」人財担当役員が語る日立の「新しい働き方」とは

このサイトは、日立CHRO(最高人事責任者)を務める中畑英信執行役専務がインタビューに答えた記事になっています。

Q)「ジョブ型人財マネジメント」とはどういったものでしょうか。

中畑A) ジョブ型人財マネジメントとは、社員が自分がめざすキャリアを明確化する一方、会社は職務や必要なスキルなどを明確化し、その仕事を担える人財を年齢や属性にかかわらず本人の意欲や能力に応じて登用していくための考え方です。

そうすることで、多様な人財がそれぞれの専門性を生かした形で働けるようになり、仕事の内容や遂行能力に応じて適正に処遇を決定することに繋がります。

https://social-innovation.hitachi/ja-jp/topics/interview_nakahata/

 

今までのように会社が人を育てるというよりも、そのスキルにあった即戦力を採用したい、ということですね。変化が多い現代ではこちらの方が明らかに合理的です。

 

Q)「ジョブ型」へ切り替える狙いについて教えてください。

中畑A):在宅勤務によって、社員の働く姿が見えにくくなったため、業務上の成果や貢献を適正に評価できるかがより一層重要になっています。「ジョブ型」のマネジメントのしくみを導入することにより、業務をしっかりと定義して、誰がどのような業務をどう進めていくかについて「見える化」することができるようになります。

評価をする側、される側、双方の納得感が高まるため、在宅勤務活用を標準とした働き方においては、「ジョブ型」への切り替えが必須であると考えています。また、社員がキャリアパスを意識して、自らキャリアを作っていくことにつながるのもよいポイントです。管理職ではすでに、2014年度に「ジョブ」を基軸とした人事処遇システムに転換しています。今後は非管理職への導入も進めていきたいと考えています。

 

今までは上司部下のしがらみやコミュニケーションの力で評価され、不透明な部分も多かったようですね。
今後ジョブがしっかり定義されれば、納得感のある評価となりますし、従業員キャリアパスへの成長と会社の業務成果の拡大となり、すべてうまくいく感じですね!

 

日立のジョブ型雇用について導入経緯と理由 まとめ

今回は、日立製作所のジョブ型についてその導入までの経緯と具体的な理由についてまとめました。

一般的な日本人の我々から見ると、日立は比較的固い日本の旧来からの企業として考えられがちですが、実は今では、日立製作所はグローバルカンパニーとして国際的に展開している大企業です。よって、今回のジョブ型導入が先行されたのも理解できると思います。

今後も日本企業でジョブ型が採用されることが多くなり標準となっていくでしょう。
新卒枠を狙う学生や、50台以上の多くのサラリーマンにとっては、ジョブ型へうまく対応して、この時代の流れに乗っていく必要がありそうです。

 
 
次のページでは日本企業の各社におけるジョブ型雇用の状況についてまとめましたので、よかったら参考にしてみてください。

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